みなさん、こんにちは。
いしかわつかさです。
今日は、DxO(ディー・エックス・オー)が、RAWファイルを補正するソフトをリリースしたので、それを紹介します。
その名もDxO PureRAWです。
Dxoとは何か?
DxOは、写真を専門とするフランスの会社でデジタル写真の画像処理の分野を得意とし、高度な写真編集ソフトウェアを開発・販売している会社です。
取り扱い商品には、 下記のラインナップがあります。
- DxO PhotoLab − RAW現像ソフト
- Nik Collection − プラグイン ※元々Nik Softwareが販売
- DxO FilmPack − 銀塩フィルムの粒状感を再現
- DxO ViewPoint − 複雑なパース歪みの補正
- DxO PureRAW − 編集に最適なRAWデータを生成
DxO PureRAWとは何か?
現像ソフトではなく、RAWファイルをAI(人工知能:DxO DeepPRIME)で自動編集し、 より良いRAWファイルにするソフトです。
つまり、写真の工程を料理に置き換えた場合、
素材(写真=RAW)に下処理(PureRAW)を行い、調理(現像)するイメージです。
キャッチフレーズは、 ”RAWファイルのすばらしさを引き出す”
価格は、買切りで日本円で約12,600円です。
具体的にどこを補正するのか?
下記の7項目を補正します。
特にデモザイキング、ノイズ、シャープネスが強力でこの為だけに購入を決めてもいいです。
- デモザイキング … 欠落した色成分を補間する処理
- ノイズ … ノイズを除去する処理
- モワレ … モワレ(干渉縞)を軽減する処理
- ディストーション … 歪みを改善する処理
- 色収差 … 色収差を補正する処理
- ヴィネット … ヴィネット(周辺減光)を補正する処理
- シャープネス … シャープネス(輪郭)を補正する処理
どんなRAWでも対応しているのか?
残念ながら全てのRAWに対応していません。
ただ、ほぼ全てをサポートしているので、安心していいと思います。
最新機種も、数ヶ月後にはアップデートで対応してくれます。
対応機種は下記のサイトで確認して下さい。
新しい組み合わせの写真を読み込むと下記のようにプリセットをダウンロードする必要があります。
3種類の処理方法
処理については難しい操作は無く、AIが自動で処理してくれますが、処理方法は3種類あり、それを選択する必要があります。
基本はPRIMEで問題ないです。DeepPRIMEはよくわかりませんが、古い機材などで活躍するのかなと感じています。
- [HQ] … 処理[低]通常の照明条件で撮影された時
- [PRIME] … 処理[中]高ISOで撮影した時
- [DeepPRIME] … 処理[高] [PRIME] より高速処理 古い機材の時?
DxO PureRAWの効果を試す
今回使用する写真の情報です。
ベトナム唯一あるドッグレース場での写真です。
照明は設置されていますが、十分な状況ではなく、疾走する犬を止めて撮影するには、1/800秒は必要でした。これでもギリギリだと思っています。開放F4.0のこのレンズで、光量を稼ごうとするとISO 12800まで上げる必要があり、全体的に乗るノイズは了承し、この瞬間を捉えました。
上のORIGINALデータをLightroomで現像します。
補正した内容は、暗くなっているシャドウと明度の引き上げ、コントラストとシャープネスです。
被写体に合わせて露出を調整すると今まで隠れていたノイズも全体的にはっきりしてきました。
Lightroom上でカラーノイズ含めノイズ除去を行うと、やっている作業としては、シャープネスに相反する”ぼかし”のような処理となる為、全体的にのっぺりします。この写真に関しては、もうこれで良しと思っていたので、ここで終わっています。Photoshopを使えば良くはなると思いますが。
比較的過酷な条件で撮影している事もあり、ノイズよりは記録を優先しています。
そして、登場したのがDxO PureRAW。その結果がこちらです。
どうでしょうか。このサイズの写真でもその効果が抜群にわかると思います。
このソフトの驚くべき注目ポイントは、その処理の判断能力です。
左下にいる犬を見て欲しいのですが、一見ノイズのような蹴り上げた砂はそのまま残り、カラーノイズのみ綺麗に消えています。デモザイキングの処理により、欠落した色も復元し、体の白い部分は白く、茶色い所は茶色に処理されています。
メリットとデメリット
今までこういった類のソフトは色々出てきましたし、色々使用しましたが、定着しなかった理由が”Lightroomが結局一番使いやすい”からです。特に写真管理という分野では、替えが効かない。
このソフトの良い所は、大きくワークフローが変わらない所にあります。
処理したデータを必要分だけ、処理し、その後、Lightroomで現像する。
つまり、RAWデータで書き出せるというメリットはとても大きい。
それも、ワンクリックで対応出来ます。
僕は、普段管理している写真フォルダの下に、DxOフォルダを作成しているので、それをLightroom側で閲覧できるようにするだけでOKなため、Lightroomと一緒に運用する場合でもストレスがない。
もちろん、デメリットもあります。
- プラグインではなく、スタンドアローンである
- データサイズが大きくなる。※約1.5倍〜2.5倍
- ファイルの変換に時間が掛かる。
①については、僕はデメリットに感じていませんが、人によってはデメリットに感じると思い、一応上げています。
②のデータサイズについても一応上げていますが、気にならない人には問題ないと思っています。
③については、処理をしているので仕方がないと感じています。
まとめ
購入するかどうかについては、この効果を求めているかどうかが大きなポイントになると思います。仮にPhotoshopで同じようなことをした場合、どれだけの技術と時間を要するか。それが1枚、30秒程で出来ると考えるなら、それは大きな購入動機になります。
最大のメリットは、ノイズ除去にあると思います。
そのため、高ISOで撮影した写真には有効ですが、低ISOで撮影した写真は、大きな違いは感じられませんでした。
画質より便利を優先した高倍率ズーム1本で旅行した時などは、すべてがランクアップする解像感になることでしょう。
もし、あなたが過去の写真で、撮り直したいなと思うような写真があったなら、是非試してほしいです。そんな夢のあるソフトだと思います。30日間の試用期間もある為、検討してみてはいかがでしょうか。
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